久しぶりに見るべきタイミングが来た映画。アメリカンヒストリーX
久しぶりに観た。と言ってもまだ二回目だけど。
少々ネタバレで申訳ないけれど、「考えさせられるけど救いはない映画」なので、観るのに心構えと気合いがいる。
1回目は「ちょっと重い話だけど絵面が好きだと思うよー」ってオススメされて観たんです。
まぁ確かにカッコイイんですよ。絵面。
しかし内容激重。
だから印象的でまた観たい映画ではありながら、再び観ようってきっかけがなかなか無かったけれど、遂にその時がやってきた!
きっかけは、例の黒人デモのニュース。
知人がこんな動画をシェアしていた。
昨日、この動画を見てから言葉がない。今も語る言葉を見つけられない。ただ、この31歳の男性が語っている言葉は、「敗者」の言葉ではなく、賢者のそれであることは分かる。こうした言葉に遭遇した、この16歳の若者はもう、昨日までの彼ではいられないだろう。 https://t.co/HjhKk3HC5r
— 若松 英輔 (@yomutokaku) 2020年6月1日
ざっくり解説すると、デモに参加してる10代の若者に30代男性が
「俺たちには怒ることしかできない。どうしたらいいかわからない。こんな方法じゃない解決策を考えてくれ。俺らにはそれができないんだ」みたいな事を言ってる。
お恥ずかしながら、普段ニュースの類をほぼ見ないので、このツイート見るまでこんな騒動が起きているのも知らなかった。
そしてこの動画を観て、一気にこの映画の事を思い出す。
なんだか無性に観たくなる。
ストーリーは要所要所では覚えていたけど、曖昧になっている部分もあったので少し検索。
そして「やっぱり今再び観るタイミングが来た」と確信。
黒人差別問題が題材の社会派映画。
1998年の映画。22年経っても、その間に黒人の大統領が誕生していても、根はどこまでも深く、深刻な問題なんだろうなと感じる。
白人至上主義の人物が黒人やアジア人を人格ではなく、肌の色のみで忌み嫌い、暴力で支配しようとする。
黒人達も暴力で報復しようとする。
今回の事件、デモと非常に重なる部分が大きい。
でも私が今また観るべきだって思ったのは、人種差別のテーマのさらに奥の真のテーマ「怒り」の感情について、今の自分に必要なメッセージがこの映画にあるだろうと思ったから。
ありました。ありまくり。
主人公の恩師のセリフ
【怒りは君を幸せにしたか?】
うぎゃーーーーーーっ!!!
とにかくタイムリー!!!!(自分にとって)
つい先日も知人と「怒り」について語っていたところ。
私はですね、土台に「怒り」がある人の方が信頼出来るんですよ基本。
世の中に、人間に、自分に怒ってて、その怒りのエネルギーを別のエネルギーに変えて何かを生み出し、人の為になるような事に使うべく、コントロールができている人に惹かれる。
けど、私はエネルギー変換下手くそすぎて、怒りを悲しみにすぐ変換してしまう。。。。近すぎやこの二つは。
もっとちゃうもんに変えられんのか。。。
怒り→悲しみ→何も生まないのループ。
つら。。。笑
でも最近、怒りを怒りのまま放出してしまいそうな精神状態に陥ってて、これは良くない状態だなーーってなってた。
怒りは怒りのまま放出しても怒りしか生まない。
この映画でもそれが描かれている。
怒りは根底にあっていいけど、怒りのままむやみに放出するもんじゃない。
かといって無理やり抑え込む必要もない。
しっかり観察して、違うエネルギーに変える。創造することに使う。
そう使えたらいいねー。なんて話を知人としたのだけど。
その為にはエネルギー変換するための装置がいるんじゃないかって今日ふと思って、それって何だろう~って考えた。
うーーーん。
智慧と信頼かなーー??なんて思ったけれどどうだろう??
智慧は、ありのまま物事を観察する能力
信頼は、自己信頼と他者信頼
この2つが無くても、変換できる人はできるのかもだけど、あればさらにスマートかつエレガントになるのかなーなんて。??
自分でも全然答え出てないのであんまりツッコまんでください。笑
愛でしょ♥って壮大かつ抽象的すぎる表現では、自分が納得できないので具体的に表現したかっただけ。
いや、全部愛だとも思うけどね。
あんまり乱用しすぎたくなくて。←知らんがな。
でも智慧も信頼もないけど怒りで何かクリエイトしちゃうってのもアリだと思うし、それによって生まれた文化もたくさんある。
パンクなんて正にそれでしょ。
怒りを怒りのまま出すのだって、時には必要だと思うしな~。
結局何が言いたいんだっけ??笑
とにかく、この映画から
【怒りでは幸せになれない】
というメッセージを受け取ったという話。
あともう一つ!今見るべきだったという理由。こっちもデカい。
この映画では主人公のデレクが、白人至上主義のカルト団体の思想にどっぷり浸かって洗脳されているさまと、目が覚めて狂信的な思想も自分もおかしかったと気づき、人生をやり直そうとするさまが描かれている。
もちろん同じ役者さんなんだけど、とにかく演技力が凄まじい。
この二つの異なる状態の時の顔つきの、特に目つきの使い分け。
(正確にはカルト思想にハマる前の爽やか好青年の時も演じていて、このシーンなんかセックスアンドザシティーのエイダンのようなモサさと優男感。演じ分け凄すぎ)
洗脳狂信状態の時の目のイキっぷりったらもう。
逮捕されるシーンの表情は鳥肌が立つ。
https://www.google.com/amp/s/gamp.ameblo.jp/muramomuramo/entry-11212816303.html
https://smartphoneokoku.net/blog/5146
そして思う。前見た時も思った。
「私、この目知ってる」
自分がこんな目してた事があることを思い出す。
その時身を置いていた環境、周りの人の多くがこんな目をしてた。
自分たちの環境が最上最高で、最先端の一次情報を持ってて、自分たちこそが正義だと酔いしれ、世の中を良くしていくんだと思いあがっていたとき。
その割には、この環境や情報の凄さがわからない人たちや、他社の事を批判し排除し壁を作っていた。
振り返ればグローバルな仕事と言いながら、とても閉塞的な環境だった。
その閉ざされた狭いコミュニティの中で意気揚々と振る舞いながら、内心ではもう自分が何者で、誰の言葉を話しているのかも分からなくなってた。
狂信状態のデレクは、めちゃくちゃ喋る。
人の話を聞くより自分の考え、思想を押し付けるように喋りまくる。
これにも身に覚えがある。こういう状態の時の人間はよく喋るようになる。
メールもめっちゃ長くなったり。笑
思い出すだけで顔から火が出そう。
演技とはいえ、この目や振る舞い見て自分と重ねずにはいられない。
なぜ今観るタイミングだったかは、最近この時の自分を許すというか、浄化というか、統合する時がきてるなーーってビシバシ感じてるから。
何年も何年も生ごみのまま、蓋をし続けてきたこと。
臭いものに蓋をするとはまさにこのことかと思っていたけど、蓋開けて向き合ってみると、腐ってたというより堆肥化してたわ!!みたいな発見も結構ある。
あら、肥やしになってたわ。みたいな。笑
でもまだ思い出すだけでざわつく部分もある。
話が戻るけど、それも結局「怒り」なんだろうな。
なんであんな事したんだって自分への怒り。そして恥ずかしさ。
でもいつまでも自分への怒り、憎しみに囚われるのは勿体なすぎるなと、この作品を観て益々思ったのでした。
【憎しみとは耐えがたいほど重い荷物 怒りにまかせるには人生は短すぎる】
観た事無い方は良かったら観てみてくださいね。
でも大事な事だからもう一回言うけど、救いゼロなんで覚悟いりますよーーー。
HSP、エンパスさんはくれぐれも気をつけてねーー。
知らんがな余談①
デレクの弟ダニー役は、私の初恋の人、ジョン・コナーを演じたエドワードファーロングです。
この世に一人取り残されたような物哀しげな目がやはり魅力的♥
基本坊主なんだけど、回想シーンでのワンレンのがやっぱり好み!!!
結局ジョン・コナーやないか!笑
知らんがな余談②
デレクの洗脳中の目が、過去の自分にも見えるんだけど、昔好きだった人にも似てる。。。。と、今回観て気づいた。。
狂気に満ちた人だったしそこが好きだったけど、何に恐れて何に怒って何に取り憑かれていたんだろうか。。。
今もこんな目してんのかしらね。知らないけどね。
とまぁ、いろいろ思い出したり、掘り下げたりさせられる映画でした★
映画の本筋の人種差別問題についての感想、考察あんまりなくてすみませ~ん。
ご清聴ありがとうございました~